「カリブの呪い」、めちゃくちゃ面白いです。5時間ぐらいプレイしたけど、「ストーリー進行10%」っていう実績が取れてないから、ボリュームもたくさんっぽい。
特に「Shadow Tactics: Blade of Shogun」を触ったことがある人に伝えたい。
いやこのシリーズめちゃくちゃ面白いんですけど、ぱっと見でわかりにくいしプレイ自体は結構重たい(1ステージ1~2時間ぐらい)のでお試しするにもというのはあるしなあ……でも(まだ序盤だけど)こんなに面白いゲームが埋もれてしまうのはもったいないので、微力ながら面白さを伝えられたらいいなと思い記事を書くことにした。
……と思ってたら、「Shadow Tactics」と「カリブの呪い」の間、事実上の2作目といえる「DesperadosIII」について、似たような話がIGN Japanにも出てた。
上記の記事に深く首肯しつつ、「カリブの呪い」でさらに良くなったところを伝えていければなと。
国内ゲームメディア等では今に至っても「Shadow Tactics: Blade of Shogun」が一番に紹介されがちだが、いうて2016年のゲーム。今プレイしても、正直粗削りさは否めないだろう。
そのシステムは2020年の「Desperados3」でかなり改善されていると思う*1が、今年発売した「Shadow Gambit:カリブの呪い」ではそれがさらに大きく改善されていて、ゲームの面白さを犠牲にせずに大きな進化を遂げている。
まずは、本シリーズの特徴をまとめよう。
- 頻繁なクイックセーブ&ロードを前提とした、高難度なゲーム
これはチュートリアルではっきりと言われるし、実際ステージ中でもしばらくクイックセーブしてないとセーブを促すメッセージが表示される。クイックロードは過去のセーブを複数遡ることができるうえ、演出込み3秒程度でロードできる快適設定。 - ステージ内の敵の視界、行動パターン、活用できるギミックなどが最初からオープンになった、偶然性を排除したプレイ
敵の視界は明確に表示され、視界から少しでもずれていれば絶対に気づかれないし、こちらが発見されない限りはその行動パターンを崩すことはない。一か八かが存在しないため、ミスの理由は必ず明確で、クリアできるルート構築ができれば必ずクリアできる。 - キャラクターごとの特徴を活用して一人ずつ敵を排除し、ステージを攻略していく
プレイヤーキャラクターはそれぞれ固有スキルがあるだけでなく、身体能力にも差があり、敵をキルするスピード、泳ぎの可否、立てる音の大きさなどを勘案した上で攻略を組み立てる必要がある。
また、ステージクリア後に自分の操作したキャラがどこで何をしたかを確認できるのも特徴。どのように動いてどこでキルをしたか、どこでクイックセーブをしたかまでわかる。
以下の動画は自分のプレイのサマリーだが、島の右下まで進んだあたりでクエスト目標が左上にあることに気づいて戻っていくようすがよくわかる。
もちろんよく練られた敵の配置やストーリーを通じたプレイへのモチベーション付けなどの要素はあるが、大まかにはこのあたりだと思う。
また、事前にそれぞれの行動を指定することで複数のキャラクターが同時に行動する「シャドウモード」を使った状況の打開には爽快感がある。
この動画では、右下の島にいる二人を仕留めたいが、左上の陸地から島を監視している敵兵が邪魔になっている。しかし会話している敵兵の片方は左上の陸地まで視界に入っているため、この敵兵をキルすると発見されてしまう。なのでまずは左上の陸地の下段茂みにいるキャラクターが犬笛を吹いて、右下の島を監視している敵兵をおびき寄せ、その間に残る二人のキャラクターが右下の島へ移動。おびき寄せた敵兵をその場で殺してしまうと右下の島の兵士に発見されてしまうので、シャドウモードを使用して3人同時にキルを行う……という一連の流れなのだが、テキストで書くとめちゃくちゃ長くなってしまう。
が、プレイしている方としては考えて行動した結果がきれいにハマったのでめちゃくちゃ気持ちいいのである。
さて、「カリブの呪い」で改善されている点は以下が挙げられる。
- マップのパン
カメラを最大まで引くとステージ全体マップが用意されるようになった。細かい敵の挙動は見えないが、すべての敵の位置と目的地、出口候補が表示されるので戦略が立てやすくなった。
- 複数のスタート地点とゴール
過去作ではストーリー上の都合で各ステージのスタート地点とゴール地点が固定だったが、今作はスタート地点は複数の候補から選べ、出口もマップに複数ある地点から、出口を封印している巫女のような敵を倒すことで解放して出られるようになったので、上陸前やステージでの目的達成後も含めた戦略を立てられるようになった。 - 同じステージで複数ミッションが存在する
これも過去作ではステージごとに違うマップだったが、今作では同じマップで複数のミッションがあり、広いマップの一部で済むものや、広範囲を移動する必要があるものがあるため、経験を積んだうえで同じステージを新しい気持ちでプレイできるようになった。 - キャラクターの増加と明確なロール分け
操作キャラクターが増え、各キャラに明確なロールが表示されるようになった。
自分はまだ序盤なのでまだ使用できるキャラクターが少ないが、出撃するキャラクターを自由にキャラクターを組み合わせられるようになりそう。 - 任意の点への視線の表示、視界移動の操作性向上
一度に視界を見られる敵は1体だけ、というのはこれまで通りだけど、「任意のマーカーに対してそこを見ている敵がどこにいるか」を視線で表示する機能が追加された。このマーカーは地点だけでなく敵にもつけられるので、回遊する敵がどの位置ならほかの敵に見られずにキルできるかを確認することもできる。
トップビュー視界の移動も、普段は自分が操作しているキャラクターを中心に動くが、周りを見渡す操作で視点の固定ができるようになったため、遠くの敵を確認しながらの行動がやりやすくなった。
その他、敵の種類が増えていたりいろいろあって面白いのでみんなやったらいいと思うよ
残念ながら開発元は「カリブの呪い」を最後にスタジオを閉鎖してしまったけど、サポート自体は継続するとのこと。さっそく日本時間の今日、二つの拡張DLCが発売しました。とりあえず本編クリアするまでやります。
Making games and crying about it, 2008–2023. - Mimimi Games
*1:自分はDesperadosの方を先にプレイしたのでちょっと曖昧