ながいながぽん

ツイッターにはかけない長さのやつ用

「Pizza Tower」のラスボスがかなりファナティックで、それゆえ再プレイしたくなるという話(ネタバレ)

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「Pizza Tower」は、製作者が「ワリオランドシリーズを参考にした」と公言するアクションゲームで、ステージを超高速で走り続けるスピード感あふれるプレイと、敵を吹っ飛ばした時のフィードバック、気持ちのいいBGM、独特だが印象に残るグラフィックが特徴的だ。

とくにBGMはすごくよくて、YouTubeで検索するとギターアレンジを弾いてる人などがいるが、むしろチップチューンの原曲の方がゲームの雰囲気にとてもマッチしていて良い。サントラもDLCで販売されている。

 

ゲームは日本語が入っていないが、ストーリーにかかわる部分は一切文字がないので、操作さえわかればプレイに支障はない。

というわけでオープニングムービーがこちら。

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このムービーを見ればわかるとおり、ゲームの本筋自体は「こまけえことはいいんだよ!」という感じで、
悪のピザみたいなやつは何なのか?
なぜ主人公(ペッピーノ・スパゲッティ)のピザ屋を破壊しようとしているのか?
ピザ・タワーは誰が建てたのか?
みたいなことをいちいち聞くのは無粋というものである。

1面のボス、ペッパーマン。「なんか前の画面とキャラデザ違くない?」とか言ってはいけない

 

ステージも見たことのある騎士に変身できる洋館や、ホラーゲームに出てきそうなピザ屋、ゴルフ場、牧場、アクションゲームおなじみの氷ステージなど、当然タワーの中ではありえないステージだが、そんなことをいちいち突っ込んでいてもしょうがない。

 

で、こちらがラスボス戦である。当然ネタバレを含む。

youtu.be

 

謎の悪のピザ(ピザ・フェイス)との戦い、最初の部分はいかにもよくあるラスボスの前哨戦という感じだが、第一段階が終わってから雲行きが怪しくなる。
ピザ・フェイスの中から、本当のピザ・フェイスが出てくるのだ。
ピザ・フェイスは道化師のような動きをしており、いつもにやにやしながら塔の下から武器やアイテムを持ち上げて攻撃してくる。

これが狂気を感じるのだ。

笑いながら攻撃をしてくるピザフェイスに、不協和音やひずみの入ったBGMも相まって、強い不安を感じてしまう。

これまで、「こまけえことはいいんだよ!」の精神で深く掘り下げずにきたいろいろなおかしさが、ピザ・フェイスのどこか不安にさせる動きのせいで、「ひょっとしてあれらもこの狂気の産物なのでは……?」と考え始めてしまうのだ。

第3ラウンドは定番のボスラッシュ。

ボスも考えてみれば意味が分からなすぎる。特に最後の「Fake Peppino(にせペッピーノ)」はかなり意味不明な存在である*1

 

それに対して、もともと情緒不安定なキャラクターとして描かれているペッピーノのブチギレ咆哮からのラッシュ攻撃が気持ち良すぎる。ここまでの不安を一気に晴らしてくれるかのようだ。

BGMもまた転調し、ロックの要素が強まって大きなカタルシスを感じさせてくれる。

 

とりとめのない文章になってしまったが、このカタルシスを感じたくて何度もプレイしてしまうのであった。

*1:単体ボスでの登場時の方がより不穏だが